美容師と理容師って何が違うの?仕事内容やダブルライセンスについて解説
美容師と理容師はどう違うのかご存じですか?美容室で働くのが美容師、理容室で働くのが理容師というイメージが強いんではないでしょうか。それぞれ仕事内容や資格が異なるため、両方取得して働く方もいます。本記事では、美容師と理容師の仕事内容やダブルライセンスについて解説します。
目次
1.美容師とは?
美容師とは、美容室に来店されるお客様のヘアカットやヘアセット、カラーやパーマなど薬品を使っての施術、メイクアップなどの方法により容姿を美しくするサービスを提供する就労者を表します。
1999年〜2000年代にかけて有名サロンの美容師が、ヘアカットの技と仕上がりを競う「シザーズリーグ」がテレビ番組としてヒットしました。この番組から、「カリスマ美容師」という言葉が流行し美容師が一躍人気となりました。
2018年には、国を挙げて日本の美容技術を世界に発信する取り組み「カミカリスマ」がスタート。3つ星でランク付けされており、毎年優れた美容師が受賞しています。
では、美容師の具体的な仕事内容と資格について紹介します。
1-1.美容師の仕事内容
美容師の仕事内容はヘアカット、カラーやパーマなどの薬品を使っての施術、メイクアップなど幅広いです。基本的なヘアに関すること以外にも、着付けやネイル、まつ毛エクステなど専門的な美容知識が必要な職種をこなす美容師も多くいます。
またヘアメイクやブライダルなども、ヘアセットや化粧品などを使用するため美容師が多く活躍しています。
1-2.美容師の資格と美容師法
美容師として仕事をするためには、国家資格である美容師免許を取得しなければなりません。衛生面、カラーやパーマなどの化学薬品、化粧品等を使用するため厚生労働省による許可が必要となります。
1957年に制定された美容師法は、美容師免許などに関して規定した日本の法律であり、第6条には美容師免許を有していなければ、美容業をしてはならないと記載されています。
美容師免許を取得するには、まず高校卒業後に厚生労働大臣が指定した美容専門学校で2年間学ぶ、もしくは仕事と両立しながら学ぶ通信課程3年間が必要です。この期間に学科や実技などを学び、美容師免許試験を受けることが出来ます。
美容師免許試験で合格した者のみ資格を持つことができ、お客様のヘアカット、カラーやパーマなどの施術が可能となります。
2.理容師とは?
理容師とは、理容室に来店されるお客様のヘアカットや顔剃り、カラーやパーマなどの薬品を使っての施術により、容姿を整えるサービスを提供する就労者を表します。
理容師は顔剃りが可能なため、昔から男性客が多く男性理容師が多かったです。現在では肌をトーンアップさせたり、メイクのノリが良くなるなどのメリットから女性客が増えており、女性理容師も増えています。
近年では「ツーブロック」や「七三ヘア」など、理容師から発信し流行したヘアスタイルも多く人気です。また、髭のバリエーションが多い海外のような理容室も増えており、よりファッショナブルになっています。
では、理容師の具体的な仕事内容と資格について紹介します。
2-1.理容師の仕事内容
理容師の仕事内容はヘアカットや顔剃り、カラーやパーマなどの薬品を使っての施術です。特に男性の象徴と言える髭を剃ったり整えるのは、理容師ならではの仕事内容です。
理容師のみ可能なパーマ施術として「パンチパーマ」や「アイパーマ」などが挙げられます。「パンチパーマ」は、ロットより細い丸型アイロンなどを使いながら熱で形成します。また「アイパーマ」は、平型アイロンを使ってオールバック風に熱で形成し、双方とも短髪の方に向けたパーマ方法で美容室では施術していません。
2-2.理容師の資格と理容師法
理容師として仕事をするためには、国家資格である理容師免許を取得しなければなりません。理容師は美容師と同様に厚生労働省による許可が必要となります。理容師法は美容師法より早い1947年に制定されており、第6条には理容師免許を有していなければ、理容業をしてはならないと記載されています。
理容師免許を取得するには、美容師免許を取得するのと同じく、高校卒業後に厚生労働大臣が指定した理容専門学校を2年間学ぶ、もしくは仕事と両立しながら学ぶ通信課程3年間が必要です。この期間に学科や実技などを学び、理容師免許試験を受けることが出来ます。
理容師免許試験で合格した者のみ資格を持つことができ、お客様のヘアカットや顔剃り、カラーやパーマなどの施術が可能となります。
3.美容師と理容師の違い
上記で美容師と理容師について解説しました。共通点が多く、何故別々に資格が必要なんでしょうか?それはそれぞれの資格で出来ることが異なります。大きな違いとして、美容師の資格がないとまつ毛エクステやまつ毛パーマが出来ない、理容師の資格がないと顔剃りが出来ない点が挙げられます。
近年、多くの女性から支持されているまつ毛エクステですが、2000年前後までは規制がなく美容師免許なしで施術することが可能でした。しかし、まつ毛エクステによる目や皮膚のトラブルが多発し、消費生活相談センターへの相談件数が増加。
この問題を解決するために、2008年厚生労働省から「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」の通達をお店に出しました。「まつ毛エクステンションの施術は美容行為にあたり、施術者は美容師免許を必要とする」内容となっており、これ以降美容師資格が必要となっています。
理容師の資格がないと出来ない顔剃り。美容師も、眉カットや襟足などの産毛を電動シェーバーで剃る施術は可能です。しかし、カミソリを使用して顔全体を剃る施術は理容師の資格がないと出来ません。
最近流行っている「スキンフェード」は、顔まわりや襟足をカミソリで綺麗に剃って仕上げることが多く理容師だからこそ出来る技術です。
4.美容師と理容師両方取れるダブルライセンスとは?
美容師と理容師の違いについて大きく2つ挙げました。美容師として働くと、顔剃りをすることによってメイクアップの幅が広がるけど出来ない。また、理容師でも美容師としての仕事に魅力を感じるなど色んな思いが出てきます。
それぞれのメリットを全て取り入れるためには、美容師と理容師の両方を目指すダブルライセンスの取得が必要です。では、ダブルライセンスについて紹介します。
4-1.ダブルライセンスについて
美容師と理容師の資格両方持つダブルライセンス。今までもダブルライセンスを取得し、活用されている方もいましたがごく少数でした。理由としては、最短でも美容師資格のために美容専門学校へ2年と、理容師資格のための理容専門学校へ2年、計4年間通いそれぞれの国家試験を受ける必要が有りました。
通常より時間とコストが倍かかるため、どちらか資格を取得してから働きつつ通信課程3年をえて、国家試験を受けるパターンも多くダブルライセンスを取得するのが困難でした。
しかし、2018年に制度が改正されてダブルライセンスが取得しやすくなりました。制度の改正により今まで4年間必要だった取得が、美容理容専門学校は3年間で美容師と理容師の資格両方取得出来るコースが創設出来るようになりました。
また、現在美容師もしくは理容師として働きながら通信課程でもう一方の資格を取得する場合、最短約1年半で可能です。それぞれ学科と実技を規定内で学び、国家試験を受けることによって資格が取得出来ます。
4-2.ダブルライセンスでできる幅が広がる
美容師と理容師両方の資格を持つことで、顔剃りやまつ毛エクステなど幅広く活躍出来ます。美容師は美容室、理容師は理容室ではなく、双方で対応出来るトータルビューティーサロンでの就職がしやすくなり今後増えることが予想されます。
美容師と理容師の仕事内容やダブルライセンスについて解説しました。それぞれの仕事内容に触れることで、出来ること出来ないことが明確になったと思います。美容師と理容師の両方の資格が取れるダブルライセンスは、非常に魅力的なので参考にしていただけると幸いです。