美容師さんは施術以外に、会話術も必要とされている職業です。特に美容室では会話する接客が一般的でしたが、コロナ渦によって「会話なし」プランが増えるなど変化しています。本記事では「会話なし」プランについて、また気をつけておきたい会話術などを解説します。
目次
1.コロナ渦で需要が高まった「会話なし」プラン
コロナによってサロンでの対応が大きく変わりました。特に、美容師さんとお客様それぞれマスクをするのが一般化し、以前と比べて会話が少なくなっています。またコロナ前から、美容師さんとの会話が苦痛と感じるお客様も一定数おり、メニューに「会話なし」プランを導入し人気となっているサロンもあります。
カット中に沈黙の時間を作ることで、お客様は会話を気にせず雑誌が読めて、コミュニケーションをとる必要はありません。また、美容師さん側も施術に打ち込めるため、両者共に居心地のいい空間が共有できます。
美容師さんもお客様も十人十色と言うように、会話を楽しみたい方と静かに過ごしたい方それぞれいます。今のご時世だからこそ、「会話なし」プランも1つの選択として大きな需要となっており、その中でも美容師さんは最低限必要な会話術が求められているのです。
2.お客様を知る上で最低限の会話術
「会話なし」プランなど、コミュニケーションを最低限でとり接客するスタイルも増えてきました。しかし、美容師さんはお客様のカウンセリングで要望などを聞き出さなければなりません。では、カウンセリング以外で会話する際に大切な会話術2点を紹介します。
2-1.ヘアセットに対する内容
カウンセリングの際は、ヘアスタイルについて両者共にイメージが一致するよう会話をします。イメージが一致しヘアスタイルが完成した後に重要な、ヘアセットに対するお客様への伝達はとても重要になります。コミュニケーションを最低限にしたとしても、自宅で再現するお客様がセットできないと意味がありません。
コテやストレートアイロンの使用方法、仕上げにつけるオイルの選択方法などは、美容師さんだからこそ伝えられる内容です。必ずお客様に伝えましょう。また、自宅で出来るヘアアレンジ方法など、実際に近くにいるからこそ教えることができ、再来に繋がります。
2-2.シャンプーやトリートメントなどヘアケアに対する内容
自宅で使用しているシャンプーやトリートメント、ドライヤーについてなど、ヘアケアに関する内容はお客様を知る上で重要です。どういった商品を使用しているのか知ることで、髪へのアドバイスが広がります。
特にカウンセリングだけでは、引き出せない内容のため、ブロー後に少しこの内容を会話に取り入れましょう。ドライヤーをしている最中は、風で声が聞き取りにくく、しっかりとコミュニケーションが取れないため控えるのがベストです。
「会話なし」、「静かに過ごしたい」などの要望があるお客様でも、こちら2点の会話は大切ですので覚えておきましょう。
3.知っておきたいNG会話
「会話なし」のお客様をメインで話を進めていましたが、会話が好きで来店されるお客様もいます。ファッションや、旅行など楽しい内容もあれば、時には仕事に対する悩みなどを聞くこともあります。美容師さんとお客様との会話が弾むからこそ、居心地のいい時間となるケースも。
しかし、会話の中で触れてはいけないNGな事項が3点あります。では、その3点を紹介します。
3-1.宗教や政治に関する話題
宗教や政治に関する話題は、一般的なマナーとして避けましょう。宗教に関しては、日本人は無宗教が多いといわれていますが、その中でも少数で宗教を信仰している方がいます。信仰している宗教や支持している政治への否定的な発言や批判は、トラブルの原因になるため話さないようにするのがベストです。
宗教や政治に関する話題は「対立しやすくトラブルの元になりやすい」ため、避けて防止しましょう。
3-2.プライベートな内容を聞きすぎない
お客様との会話が盛り上がる中で、1番よく話すプライベートな内容。お客様自ら話される分はいいですが、美容師さん側から多く聞くのはよくありません。近年、悩みも様々な形で増えているため、家族構成や仕事、友人関係といったことも基本は聞かないようにしましょう。
特に初めて接客するお客様に対しては慎重になりましょう。話題作りに、プライベートな内容を聞きすぎてしまうとお客様は不快に感じてしまいます。
3-3.相手を否定するような会話
会話の内容によっては、愚痴になったりネガティブなことになるケースがあります。当事者でなくても、会話の内容に出てくる相手を否定するような会話は、話す側も聞く側もいい思いはしません。お客様から共感を求められたとしても、「そうですね。」と聞く側だけに徹し、深く話し込まないようにしましょう。自分が言われて嫌なことは口にしないのがベストです。
4.美容師さんが求められる会話術
色々話せるからこそ、美容室に行くのが楽しいと感じる方もいれば、どう返答すればいいのか悩み行きたくないと感じる方もいるのが現実です。これによってお客様が会話の有無を選択する時代に差し掛かり、美容師さんが求められている会話術は最低限シンプルなものになってきています。
しかし、あまりにもコミュニケーションがない状態では、お客様が望む形にはなりません。髪のプロフェッショナルとして、アドバイスや次への来店に繋がるアプローチは、会話を控えたいお客様へも必ず行いましょう。