理美容師に1番多い悩み「手荒れ」問題!ケアの仕方や予防対策をご紹介

2022.08.15

理美容師の仕事上、必ずと言っていいほど多くの方が悩む「手荒れ」問題。アシスタント時代に多く経験するシャンプーや、刺激の強いカラーやパーマなどの薬剤、最近ではコロナの影響もあり頻繁におこなうアルコール消毒など、手にとって常にストレスがかかった状況です。

手荒れを起こすと中々治りにくく、最悪の場合理美容師の仕事から離れることになってしまいます。本記事では手荒れした際のケア、また予防対策について紹介します。

1.理美容師の手荒れ発生は何が原因?

理美容師の職業病として挙げられる「手荒れ」。仕事上、よく水を使うため手荒れすることはもちろんのこと、他にも色んな問題点が重なりひどくなってしまうことがあります。では、どんな原因があるのでしょうか?

1-1.シャンプー

理美容師がアシスタント時代に1番多く施術する「シャンプー」は、手荒れが起こる1つの原因です。シャンプーの成分には、頭皮や髪の汚れを洗浄する界面活性剤が含まれています。そのため、1日何度もお客様をシャンプーすると、手肌に必要な皮脂がとれます。

また、シャンプーで使用するお湯の温度は平均38〜40度が最適とされていますが、頭皮に平均温度のお湯をあてるとぬるく感じてしまうため、少し高めに設定している美容室が多いです。お湯の温度を高めにした状態で使い続けると、シャンプーと同様に手肌の皮脂がとれます。

皮脂は手肌を守る役割があり、とても重要です。しかし、シャンプーと高いお湯の温度で皮脂がとれてしまい、手荒れを発症してしまいます。

1-2.カラーやパーマなどの薬剤

カラーやパーマなどの薬剤は、化学薬品のため素手で触ると刺激になり手荒れする原因となります。特にカラーで使用する過酸化水素(オキシ)や、ブリーチ剤は非常に危険なため、手袋を装着して施術します。しかし、チェックやシャンプーなど薬剤がついた髪の毛を素手で触ることが多いです。

化学薬品による刺激は手荒れ以外にも、体に症状が現れるケースもあるので注意しましょう。

1-3.アルコール消毒

新型コロナウィルス感染症の影響もあり、美容室での手指消毒やイス、鏡などのアルコール消毒が徹底されています。そのため1日何度も消毒作業をし、手荒れを起こるケースが増えています。
特に、次亜塩素酸ナトリウムが配合されているアルコールは、手肌への刺激が強いため、使用する場合は手袋を装着してからイスや鏡を消毒しましょう。

1-4.アトピーなどのアレルギー

シャンプーや薬剤に触れないよう気をつけていても、本来体質や肌が弱い理美容師の場合、アレルギー反応が起こりやすく手荒れがひどくなるケースがあります。この場合、手袋を必ず使用することはもちろんのこと、皮膚科専門医の治療が必要です。

また、手袋に配合されている天然ゴムが原因でアレルギーを発症することも。最初は反応がなくても、理美容師を続けることでシャンプーや薬剤に反応し、アレルギーを発症して手荒れがひどくなるケースがあります。

2.手荒れケアと予防対策

理美容師の手荒れは職業病であり、ケアと予防対策はしっかりしておくことが重要です。では、手荒れがひどくなる前に日頃からどんなケアと予防対策をすればいいのでしょうか?参考にできる代表的な対策を紹介します。

2-1.シャンプー後、指と指の間までしっかり洗いタオルで水分を拭き取る

シャンプー後、手をしっかり洗っていますか?シャンプーの中に含まれている界面活性剤が残ったまま次の作業をすると、洗い流すまで肌に負担がかかり、手荒れが発症しやすくなります。指と指の間まで洗いしっかり流すことで予防ができます。

また、濡れたままにしておくと肌の水分まで蒸発してしまうため、タオルを使ってよく拭き取りましょう。

2-2.シャンプー以外で使用するお湯は温度を低めにする

髪の毛で覆われている頭皮は、シャンプーに最適な38〜40度のお湯だとぬるく感じます。そのため、お湯の温度を40度以上に設定している美容室が多いです。しかし、お湯の温度が高ければ高いほど、手の皮脂がとれやすく乾燥してしまいます。

シャンプー以外で使用するお湯は、低めの32〜35度のぬるま湯にして使いましょう。常に高めの温度のお湯を使い続けるより、手肌への負担は軽減されます。

2-3.カラーやパーマなどの薬剤を使用する際は必ず手袋をする

カラーやパーマに使用する薬剤は、化学薬品のため直接肌に触れないよう手袋をして施術しましょう。施術以外にも、チェックやカラーシャンプー、パーマのお流しなどその都度手袋をするのが好ましいです。手袋をする際、天然ゴム成分で手荒れするケースもあるので、心配な方はチェックしてから購入しましょう。

2-4.隙間時間を使って、こまめにハンドクリームなどの保湿アイテムを塗る

隙間時間を使って、こまめにハンドクリームやワセリンなどで保湿することが大切です。すぐにシャンプーやアルコール消毒で手が濡れると諦めず、自分専用のハンドクリームを持ち歩き少しの間でも保湿する習慣を作りましょう。時間がある際は、肘までしっかり塗るのがおすすめです。

2-5.睡眠時間と食生活を整える

睡眠時間と食生活を整えることは、手肌に必要なビタミンB郡やC、コラーゲンを作り手荒れを予防します。ビタミンB郡の代表的な食べ物として、卵や牛乳、納豆。ビタミンCにはキャベツやブロッコリー、果物が挙げられます。

バランスのいい食生活と、睡眠時間を確保することで手荒れの予防以外にもストレスを軽減する役割があります。

2-6.就寝前に、保湿アイテムを手に塗り布製の手袋をする

水を使用しない就寝中は、保湿アイテムがしっかり浸透するベストなタイミングです。手に保湿アイテムをしっかり塗布し、就寝するのもいいですが、布製の手袋をすることで油分の蒸発を防ぎ長時間潤いが保てます。

2-7.皮膚科の専門医に診てもらう

手の乾燥やひび割れの初期症状であれば、薬局で販売されている保湿アイテムで改善するケースがあります。しかし、腫れやかゆみなどの症状がでる前に皮膚科の専門医に診てもらい、処方された薬で早く治すのも1つです。手荒れが深刻な状態で診てもらった場合、治療が長引く可能性もあるので注意しましょう。

3.もしひどい手荒れで悩んでいたら・・

腫れやかゆみ、出血などひどい手荒れに悩んでしまった場合、病院での治療以外にどんな対策をとっているんでしょうか?参考にできる代表的な対策を紹介します。

3-1.シャンプーや掃除の際も手袋を使用する

カラーやパーマの薬剤を使用する際に、手袋を装着するのはもちろんのこと、シャンプーや掃除の時にも使いましょう。水、洗剤、薬剤全てにおいて手荒れした手には刺激となります。皮膚に保護膜を作るプロテクトクリームや、保護フィルムを併用すると効果的です。

また、手袋は用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。シャンプーをする際は素手の感覚に近い薄手の手袋、カラーやパーマなどの薬剤を使用する際は厚手のしっかりした手袋に替えることで、施術がスムーズになります。

3-2.界面活性剤の成分が少ないシャンプーを使用する

シャンプーの中に入っている界面活性剤は、頭皮や髪の汚れを洗浄する大切な役割があります。しかし、1日に何度も素手でシャンプーをすると、過剰に皮脂がとれてしまい手荒れを引き起こします。この原因を抑えるためには、界面活性剤の成分が少ないシャンプーを使用するのがベストです。

以前に比べると、低刺激で肌に優しく頭皮を綺麗に洗浄するシャンプーが増えています。アミノ酸や天然成分が配合されているなど、成分表示をしっかり確認し使用しましょう。

3-3.オートシャンプー機を使用する

シャンプーは手洗いが一般的でしたが、近年オートシャンプの開発が進み導入する理美容室が増えています。美容師の手荒れ問題や、人手不足などから自動でお客様の髪をシャンプーするオートシャンプーは1つの予防対策として有効です。

4.手荒れは職業病!1人で悩まずスタッフや専門医に相談を

理美容師の手荒れは職業病です。少しでも、気になる症状が出てきたらケアと予防対策をおこないましょう。また、1人で悩まずスタッフや専門医に相談をするのも大切です。理美容師として長く続けられるよう、大事な手を守っていきましょう。